永久の幸福

福寿草子のゆるふわ脳内

「性欲に端を発する好意は、少なくとも対象が実在しているんだから、なんというか確度が高いよね」

「性欲に端を発する好意は、少なくとも対象が実在しているんだから、なんというか確度が高いよね」
「確度?」
「信頼できる」
「信頼できる」
「問題なのはどうやら私が性欲を感じにくいってことくらい」
「性欲がない?」
「なくはない。たぶん。そして私は離脱している」
「離脱?」
「私は私の身体を私の身体として実感できない」
「君は君の身体を君の身体として実感できない」
「だからあまり実用的ではない」
「何が?」
「その好意が」
「性欲に基づく好意は、実用的ではない」
「少なくとも私にとって。なんの役にも立たないし、それどころか迷惑に思うけど、多少なりとも理解はできる。欲求される身体は確かに実在する。だから怖くない」
「理解ができるから、怖くない」
「理解ができないことは怖い。実在しない精神を欲求する好意は、たぶん怖い」
「たぶん?」
「たぶん。実在しない対象は、誰にも否定できない。どう思われようとも」
「本人にさえも、正しいか、正しくないかは言えない」
「その通り」
「実在しない対象を欲求する好意は実在する?」
「実在する、と信じられてはいるみたい」
「けれど君はそれを疑っている」
「私はそれを疑っている」