永久の幸福

福寿草子のゆるふわ脳内

閉じた世界の百合 - 2018/09/17-23

最近漫画を読む力がない。少しめくって「ああだめだ」と思ってしまうと読み進めることができない。徒に傷つきたくない。私は漫画のキャラクター性に脅かされている。優等生キャラ、ツンデレキャラ、女好きキャラ、昔は「頭を使わなくて済む」と重宝していたテンプレが、今は気を滅入らせる。
久しぶりに袴田めらを読み返した。最高。女の子を好きになることに戸惑いはするけれど、その感情に舞い上がって、もしかしたら相手に彼氏がいるかもしれない、なんてつゆほども考えない視野の狭さがリアルだ。上に挙げたようなテンプレ的キャラクターがいない点もいい。「絵に描いたような美少女」「黒髪ロングの無口な優等生」この類のものは出てくるが、作者が読者に向けて描いているというよりは、主人公が漫画の世界の中で人物をそう捉えているように見える。自意識を美しい物語に仕立て上げようとするモノローグが好きだ。なんでもない日常でも、そこに人はいる。クラスメイトを「なんかいいなあ」と思って、その感情を詩的にまとめ上げてしまえば、物語は始まる。

きらきらとうごめく
光のようなもの
じくじく痛む
傷口のようなもの
熱くてせつない
これは病だ

「好きってなに?」
「え」
「具体的に」
「一緒にいたいの」
「それだけ?
 だったら友だち同士でもできるし」
「は…裸がみたいの」*1

中高生の持つ感情は、即時的で、 さもなければ途方もなく遠いものに思える。

「これで私のこと忘れられなくなったでしょ?
 愛する誰かとずっと一緒にいられるなんて幻想よ
 どこかで幻滅して…終わりが来る
 それに、恋愛って成就する瞬間が一番美しいと思わない?
 お互いの気持ちがつながって…二人の扉が開くの
 私はその瞬間を刻み込んだだけ」*2

近未来も将来もない。
私の好む百合は、読者が外から見て楽しむ物語ではなく、登場人物の内的世界、独りよがりな論理性のうちにある。

2018/09/17

バイト、やめようと思った。今のバイトは10ヶ月ほど続いている。入れ替わりの激しい業界なので、私はもう古株だ。上に先輩は数人しかいない。権力を得、慣れてもきたので、割と好き勝手にやっていたのだけれど最近ぼろを出している。細かいことを言う面子に当たりやすいというのもある。これは指導側になっても悩むことが多いことだけれど、プライドの高い人間は注意をされると人格否定だと思いやすい。というわけで、至極真っ当な、そして軽い注意を二回ほど受け、私はあ〜あ、や〜めよ、と思った。とはいえ来月は週四で入っていてそれは変えられないのだが、口数少なくゆっくりとフェードアウトしていこうと思う。もしかしたらやめはしないかもしれないが、それにしたって掛け持ちにして、週二、許されるならピンチヒッター的な立ち位置にしてほしい。

他人を中心に生きることの虚しさを知る。人のこと好きになりたいけれど、人のこと好きになろうとしたくない。

本当の好きってなんだろう、街を歩くカップルたちはお互いをお互いに好きなんだろうか、みたいな話を最近色々な人にされる。お互いをお互いに好きな場合もなくはないだろうけれど、あまりないと思う。「好き」が言語化される前の、びりびりした視線が好きだ。目で殺す。言葉はいらない。好意と交際にあまり深い関係を求めてこなかった。そしてそれをちゃんと言ってこなかった。付き合っても好きで好きで好きでたまらない人のこと羨ましく思うけど、その滑稽さも知っているので多分一生自分では楽しめない。メタ認知が全くなければ、いくらかおめでたい生活ができたと思う。

「もう生きなくていいんじゃないかなあ」
「むしろもう死んでいるのでは?」

2018/09/18

夏休み最終週というのに自ら大学へ赴き、卒論の相談をしてきた。家に帰ってからもpythonに取り憑かれ、やめられない止まらない、これで終わりにしようと思ってから一時間以上もやっていた。プログラミングの好きなところは場合分けがあるところ。プログラムが動かなければどこかしらに問題があり、そしてそれはたいてい場合分けの問題で、少しの変更を加えて何度も繰り返し実行していい。こうして不具合の原因を突き止めたときが一番楽しい。合宿での中間発表では意味がわからないことを長々と喋り自分でも意味がわからなかったのだが、そのあときちんと考えたのでなんとかなりそうだ。

uwu: A reaction to cuteness-overload.

望まないことを予め想定しておいて、もしかしたらそうかもしれないって構えておかないと不意に襲い来る現実に打ち勝てない。それが悲しいとか嫌だとかよりも早く、ショックに打ち負かされてしまう。殴られたあと、痛さもわからずただ呆然とする。まったく平気のようだけれど、私は多分泣きたいはずだと思ってDBTをやった。以前のこと。時が経ってもまだ泣いてしまうことは、多分消化ができていない。

全部夢だったんじゃないかと思う。夢。幻。妄想。私の頭の中にしかないもので、私の頭の中から消えてしまったら本当になかったことになるんじゃないかと思う。けれど実際身体を突き止めればそんな杞憂は雲散霧消し、その実在に打ちのめされる。ひとが明日も明後日も、幸せでありますように。

2018/09/19

"彼らが妄想的確信にもとづいて世界解釈の手法を身につけてしまうから"

「作用できる神」。相手との関係を見るより、相手を見た方がいい、という既婚30最男性のアドバイスを思い出す。ことばの伝播は、ただ単に自他境界の曖昧性による、と思いたい。

2018/09/20

"離人症は精神の一時的な死、いわば「精神の仮死」といってもよいものであり、つまりこのような精神的仮死をとげることによって現実の危機をなんとか回避する"

"一般に、メランコリーの患者は、生命機能が渋滞し、時には停止する結果として、時間もあゆみが緩慢となり、もしくは停止してしまう。そのため、「未来」の表象も消滅し、いわば「現在」の時だけがいつまでも続く。"

頭が痛い。気圧のせいかもしれない。バイトの面接をたくさん予定しているけれどどうせほとんど行かない。Twitter、見れば見るほどつまらない。復活の日は遠い。

あ、素敵、と思って、それが彼女の口癖だったと思い出す。「素敵」が口癖だなんて、それこそなんて素敵なんだろう。こういう気持ちが、百合です。

生きている気がしない。かといって死んでいる気がするわけでもないのだけど、現実に実感がなく、また実感したいとも特に思わない。ここのところ身体がたるんでいる。自分の身体が目に映っても、風景でしかない。自分の身体とも、他人の身体とも思わず、身体という認識ができない。ただただ体重計が示す数字だけ見て身体を管理している。多分見た目からはわからない。
女であること、肉体的な存在であること、それを思い知らされるのは本当に苦しい。自己の存在を根本から否定される。けれど、それだけに自己が浮かび上がる。だから多分現実との結節点として、それは機能していた。今は意識が拡散していっている。かといって、肉体的にも精神的にも自傷をする気にはならない。人生に諦めをつけて精神的自傷へ踏み切り、やっぱり人生妥協したくないと発起したものの、今や私は存在しているのかどうかもわからない。

2018/09/21

中高の友人に会う予定があり本気でおしゃれをしたら自分の身体が自分の所有物だってことを少し思い出した。可愛いのでみんなに見てほしい。女に生まれたばっかりに、世界で最強の推しを作れる、とかまた思い始めた。

行ったら痩せてる痩せてるとちやほやされたので一般人(イベントコンパニオンではない)と遊ぶの最高だな〜と思った。バイトは日数を減らすにしてもやめない方がいいかもしれない。一つテーブルを挟んだ隣のテーブルが男三人組で、何度か目が合ったので隣に座る中二の時好きだった子といちゃつき百合営業をした。営業というかサービスだ。男、ガン見してた。

体力があるうちにもっと夜遊びしておけばよかった、と思うけれど、今この瞬間が常に一番若いわけで、23歳、まだいけるかもしれない。

デートしたい、ていうか目標の日のためにダイエットして肌整えて最高のコンディションにしたい、って話をした。わかる。デートしたい。ラブはスクリーンからリアルワールドへ。

2018/09/22

座っているのもつらくずっと寝ていた。人との関わりがなさすぎる。Twitterは機能していたのかもしれない。

神経科に通って八ヶ月、初めて薬を増やされた。ルボックスが一日二回から三回に。でも診察の際には何も言われなかったので薬剤師が確認をとっていて、確定ではない。それにしても、これ以上抑うつされたところで多分頭がぼんやりするだけだし、どうせならハイになれるやつがほしい。

映画『ファイト・クラブ』を観ている。やはり生をやっていくには――少なくとも「前向きに」やっていくには――「生きてる感じ」を得なければならないように思う。自ら終わらせる気もないのなら、こんなように鬱屈とした日々を過ごすのはやめた方がいいかもしれない。

2018/09/23

今日で夏休みも終わるらしい。朝からずっと卒論のためにpythonをやっていた。どこへも出かけていない。本当は明日から講義だけれど、うっかりバイトを入れてしまったので明日は行けない。それとは別に、祝日にバイトを入れた過去の自分を呪う。

どこからかにんにくのいい匂いがしてくるのでいらいらしていたが、自分で作っていたのを思い出した。ハッシュドポーク。ビーフは高い。スロークッカーが役立つ季節になってきた。

ファイト・クラブ』を観終わった。映画でも小説でも、男主人公のフィクションではヘラった女が魅力的っぽく描かれていて困る。そういうフィクションを教科書にして育ってしまったなあ、あ〜〜〜だからフィクションの世界に生きてるサブカルに受け容れられてしまったんだ!!! なるほどね!!!

もう11月のスケジュールを組まないといけない。カレンダーを見ていたら10月のシフトに絶望してしまった。そんなに金が欲しいか。けれど寝て過ごすよりはいいのかもしれない。どうだろう。涼しくなってきたら美術館へ向かう妄想をしよう。実際の美術館は観ているうちに精神と身体が切り離されてしまって出たあと人と話せなくなるので苦手だ。